2008年05月15日

印象に残る言葉

「ウェブ時代 5つの定理」
面白かったです。なんつーか、底抜けにのーてんきになれる本ですね(笑)
最近は何かとつい将棋に結びつけてしまうもので、印象に残る言葉が出てくると、将棋界ではどうだろうか?と考えてしまいます。

一番印象的だったのはこれ。
Aクラスの人は、Aクラスの人と一緒に仕事をしたがる。
Bクラスの人は、Cクラスの人を採用したがる。

なかなかAクラスに勝てなくてイヤになりかけていますが、対戦できることをいつも以上に感謝しなくてはいけませんね。


さて、以下パロディ。軽いノリで楽しんでください。

・失敗といっても将棋で負けるぐらいのこと(p52)
盤上ではいつも、そのぐらいの気持ちで積極的に生きたいものです。

・将棋を大きく変えるイノベーションは、10%良くなったとか20%良くなったというレベルではダメ。「将棋観が変わった」と感じられるような斬新さがなくてはならない。(p147)
実際にやるのは難しいことですが。


・私たちは非常に複雑な将棋を、その将棋がどれほど複雑かを人々に知らせることなく、分かってもらおうと試みている。(p166)
というのが解説者の役割であるはずです。


・いま、将棋はまったく違う。それは、私たち一人ひとりがどんな将棋についても「情報を得る力」を持ったからだ。棋士が内弟子をしていた頃と、本当にまったく違う世界だ。(p182)
その実感が「高速道路」という言葉に結びついているんでしょうね。


・私は「普通の棋士」ではありません。そしてそうなろうとも思っていない。(p186)

・でも、コンピュータが大成功したから「将棋は分かった」なんて、それは歴史を否定することだ。(p245)
と、10年後もそう言い切れるプロでありたいものです。



自分がやらない限り世に起こらないことを私はやる。(p259)
実は最後だけパロディじゃないですね。てことでこれからもがんばります。
posted by daichan at 21:53| Comment(2) | TrackBack(0) | 書評 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年03月06日

テレビ予選について

今週の週刊将棋の連載中に書かせてもらったことについて、簡単に補足しておきます。

一言でいうと、毎年2月末に行われるNHK予選や、夏に行われる銀河戦予選は、「放映するわけではないので、結果などはすぐ公表すべきではないか」ということを書きました。正直なところ、特に異論が出るとは思えないんですが、いまのところそうなっていません。

先日ある先輩棋士に、「予選を指していることが分かると、その棋士が本戦ベスト4に進出していないことがわかってしまい、困るケースがある」という指摘を受けました。(本戦ベスト4は来期本戦シードになる)
これについて反論の余地は全くなく、対局時期をずらして対応するぐらいしか方法はないと思います。

ですがこれは原則と例外の逆転だと、この話を聞いたとき思いました。例外的に困るケースがあるからと言って、すべてを非公開にする理由になるとは思えません。やはり、対局結果は原則公開にしたほうが良いと私は思います。

昨年のいまごろに棋士会でも提案したのですが、残念ながら今年も見送られました。まあたいしたことではないと言ってしまえばそれまでなんですが、プロの世界なんですから、可能な限り情報は出すべきだと思うんですよね。


この話と直接には関係ないですが、すこし前にこういうエントリがありました。そう言えばこの人紹介するの久しぶりですね。

正直言って自分が対局してたらイヤですが(笑)、あの光景はたしかに商品価値があるような気がします。
いままで光の当たらなかった対局にもファンの目が向くのであれば、どんどん新しい試みはやっていくべきだと思いますね。
posted by daichan at 14:50| Comment(5) | TrackBack(1) | 意見・主張 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年01月17日

ブログパーツ

というものがあるそうですね。一年以上もブログやってて初めて知りました(笑)

ということでいつもお世話になっている順位戦中継のページから、宣伝もかねていただいてきました。これで中継の日程をチェックしてくださいね。


小部屋のほうでもやろうと思ったのですが、なぜかこちらでは難しいみたいです。どうもgooとseesaaの違いみたいですね。ブログによってもできることとできないことがあるようで、正直僕にはよくわかりません(苦笑)


こっちはあんまり更新してませんが、一応こうやって気にはかけてます、というお知らせでした。なぜかこれでも一日200人ぐらいは見にきてくれているみたいで、どうもありがとうございます。
posted by daichan at 18:25| Comment(2) | TrackBack(2) | お知らせ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年12月31日

振り返る。2

小部屋に続いてこちらも、一通り読み返してみました。なんとなく、これで無事年が越せるという気分です。


はじめのほうで書いている通り、こちらがメインページのつもりでした。自分自身の分析としては、すこし肩に力が入っている感じはしますが、おおむねよく書けているなという印象でした。何年かするとまた変わるかもしれませんが、いまの自分から見てもうなづける内容が多いです。

女流観戦記テレビコンピュータと、opinionに取り上げた内容はそのまま僕自身の関心を素直に表しています。興味のある方はそれぞれのリンク先を読んでみてください。
そしてこのエントリは、このブログ前半の集大成と言って良いような内容になっている気がします。ここに書いたことは、きっとまた何年か先に思い出すのだろうと思います。


後半は急に更新が途絶えてしまいましたが、これは他のところでも書いた通り、決して意見がなくなったわけではありません。ただ、始めた頃のような強い言葉で一つのエントリにまとめるという、モチベーションが下がったことが原因です。今後どういう形で発信していくのかは分かりませんが、こちらのブログも続けていきたいとは思っています。

きっかけは何だったのか、たぶん6月頃本の執筆がピークに差し掛かっていたのが大きかったのではないかと思います。その後はいろいろと紹介する機会が増えたりとか、日常のことを書くのが楽しくなってきたりとか、そういったことが原因だった気がします。

来年どういうスタンスでいくか分かりませんが、とりあえずは当初の月1回程度の更新が目標です。来年もよろしくお願いします。
posted by daichan at 17:21| Comment(1) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年12月06日

ウェブ時代を行く

移動中に読み終わりました。評論というか、もうちょっと踏み込んで言うならば啓蒙というか、とにかくそういう類のことをするには、こんなにも繰り返さないといけないのだなあ、というのが感想です。たぶんこういう観点の人は珍しいのではないかなと予想。我々のように、もともと好き勝手やってる人間には(笑)、当然にうなづける感じの内容になってる感じがします。迷っている人、勇気づけられたい人におすすめ、ってとこですかね。

ところどころすごくデジャブ感があったのは、ご自身がブログで普段書かれていることと、同じことがたくさん出てくるからでしょうね。ここ数年のスタンスのようなものが、それだけはっきりしてるということなんでしょう。こういう人って変わり続けるタイプの人が多い(と思う)ので、何年かするとまた別のスタイルのものが読めるようになるかもしれません。ならないかもしれませんが。

昨日読んだ対談なんかも、いつも通りのスタンスですね。

本の最後のほうに「ウェブ・リテラシーを持つことのすすめ」が出てくるのですが、これを読んで自分があまりそうした分野に得意でないし、あまり興味も深くないことを、期せずして再認識してしまいました。まあ分かってたことではあるのですが。それでもウェブは面白いです。こんな自分でも全世界に向けて日々発信してるわけですから、たしかに可能性無限大な世界ですよね。得意でないと知りつつも、楽しめる範囲でこれからも大いにつきあっていくことになるんでしょう。


あと、移動中週刊将棋を読んでいたら、ちょうどこの本を読んだ直後だったもので、鈴木環那さんはまさに「けものみち」を行こうとしている人なのかなあ、とふと思いました。的はずれでしたらすみません。それと、ファニー君ちょっとほめられすぎだろ(笑)

最近こんな感じの更新ばかりなもので、「書評」というカテゴリを追加してみました(笑)
posted by daichan at 18:24| Comment(0) | TrackBack(2) | 書評 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年11月10日

頭脳勝負

先日すこし触れた、渡辺竜王の新書をちょっとご紹介。

すでにいくつかのブログでも評判になっている通り、いままでになかった将棋の本であり、非常に良い出来に仕上がっています。特に棋力のそれほど高くない方に、あるいは(将棋は指すけど)将棋界のことをよく知らない方に、ぜひおすすめしたい一冊です。

読んでみてまず「対局しているときに棋士が考えていること(指し手の部分も含めて)」を伝えるのに腐心しているな、という印象を受けました。これは強い人ほどかえって難しい分野であり、僕自身も常々やってみたいと考えていることです。だから僕が言葉にしたかった内容もたくさん含まれていて、ちょっと残念な気持ちもありました。でもタイトル戦の描写などは彼でなくては書けない内容ばかりなので、やっぱり僕には無理ですね。

うまく自分の好きなスポーツにたとえていたりとか、話の持って行き方がうまいのにも感心しました。将棋の話は、他の世界の話に置き換えるとわかりやすくなる、というのは僕もよく意識しているところです。ブログなどでもそういう書き方はあまりしたことがなかったはずなのに、たいしたものですね。
パソコンの前で数時間考え込んでしまうこともありました
と言うだけあって、苦労のあとがうかがえます。


相変わらずというか、思い切った発言もたくさんしているのは興味深いところです。以前から言われているようなことであっても、並の棋士が言うのと竜王が言うのでは意味合いが違います。特に順位戦に関する話のくだりは、(内容的にはむちゃくちゃ真っ当なんですが)よくここまで書いたなあ、と思いました。

ということで引用しておきます。
様々な意見が出ているのに具体的な議論に至らないのは、「どんな制度でも勝つ人は勝つんだから、細かいことを決めるのは見苦しい」という「棋士感覚」が根底にあるからかもしれません。確かに、何もかもきちっと決めてしまうのは面白くないかもしれませんし、順位戦制度は長年続いてきている伝統あるものですが、そろそろ少しは改善しても良いのではないかと感じています。

たしかに、そういう棋士感覚はいたるところに顔を覗かせています。制度の問題とは本来何の関係もないはずなんですけどね。
まあそれはさておくとしても第一人者がここまではっきり書いていて、ほうっておくわけにはいかないのでは?とは思います。


他では「スポーツを観るように将棋も」という項は非常に印象に残りました。ほかに「無責任に」という表現も出てきますが、ようは「分かった気になって」「勝手な視点で」楽しんでほしい、というところでしょうか。まったくその通りですね。

僕はその中で常々「技術の普及」をしたいと思っているので、そんな人たちの理解をちょっと手助けしてあげられたらな、ということは思います。でも、分からないけど観る人、分かった気になって観る人、分かろうとして観る人、いろんな人がいていいですよね。

まあそういうわけで、ぜひご一読ください。


最近棋士の新書が増えている、とある人に言われました。たしかにそうですね。将棋そのものでなく、将棋界とか、棋士とか、そういったところに注目が集まっている証拠ではないかと思います。そうした流れに自分も寄与したい、と思って日々いろんなことを考えたり書いたりしています。
posted by daichan at 21:56| Comment(5) | TrackBack(1) | 書評 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年11月07日

女流関連

久々に書きたいことがまとめて出てきたので、3つほど。

その1。先日の女流王位戦最終局ですが、僕自身あとで気づいたんですが解説会がなかったのは残念でした。
数年前、たしか王位戦紅白リーグの最終日一斉対局だったと記憶しているのですが、女流棋士による女流対局の解説会が行われたことがありました。女流棋士会主催で解説会をするのは初めてということで、盛況だった記憶があります。
女流の対局に何かと注目が集まっている時機ですから、今回のような大きな一番では、ぜひまたやってほしかったと思いました。
女流棋士会もLPSAも、いろいろ新しい試みをたくさん打ち出していますが、まずは対局を見てもらうということは、これからも大切にしてほしいと思います。

その2。
昨日は順位戦の日にしては珍しく、女流の対局が2局あったのですが、その対局者4人が偶然にも全員LPSAの所属でした。こういうときはLPSAのほうで対局しても良いのでは?とこれがまず素朴な疑問。多少のハードルはありそうですが、徐々にでも実現してほしいですね。
考えられるメリットとして、対局場所が流動化(と言ってもたいしたことはないですが)すると、それだけ対局がファンの目に触れる可能性が高くなります。あくまで可能性ですが。

その3。大和証券杯に関して。
実はうっかり読み落としていたのですが、今度始まる女流戦は、実は公式戦だったんですね。なんとなく対抗戦の延長のような感じで考えていたので、ふと気づいてちょっとびっくりしました。
数人の棋士と話したのですが、選抜基準にあいまいなところがある(それ自体は僕は悪いことではないと思います)のに公式戦というのは、ちょっと妙な感じがしました。公式戦である以上は、あまり不公平感を生じさせないほうが良いと思いました。
ちなみに少し似た感じの棋戦で達人戦があります。これは非公式戦です。

それはさておき、僕は1回戦第1局の解説役を務めることになっています。11月18日(日)20時〜ですので、お見逃しなく。


前にもどこかで書きましたが、女流棋士はこと棋譜・対局記事の露出という点に関しては、男性よりも恵まれている意味があります。だからこそこの時期に、特に若手は頑張って強くなってほしい、と続けたはずですが、その意味ではこの大和証券杯とかはまさに格好の機会です。選ばれた若手には、ぜひタイトルホルダーをなぎ倒す活躍を見せてほしいと期待しています。


最後におまけ。先日のファミリーカップ、動画が順次アップされているようです。特に中倉姉妹は必見ですよ。
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2007年11月04日

囲碁フェスタ

先週行った囲碁フェスタのことについて書きます。来年も行われるかもしれませんので、興味のある方はIGO AMIGOのHPをチェックしましょう。

僕は囲碁は初心者(たぶん7,8級)で、中学高校時代にすこしやったことがある程度です。道場だとか大会とかイベントとかには全く行ったことがなくて、一度参加してみたいとは思っていたのですがきっかけがない状態でした。今回たまたま知人に誘っていただいたのと、実際にウェブサイトを見てみると非常に興味を引かれる内容だったので、参加してみることにしました。「四千年間、なかった」っていいキャッチフレーズですよね。

将棋もそうだと思うのですが、初めてどこかに出かけていくというのはなかなか勇気がいるものです。思えばバックギャモンのときもそうでしたし、今回もどんな感じか全く分からないので、行くまではけっこうドキドキしました。参加してしまえばたいがいは楽しめるものなんですが、最初の一歩は大変です。だからもし周りに「参加してみたいけど、なんとなく不安」という人がいたら、ぜひ声をかけてあげてほしいと思います。そういうのって、我々の努力ももちろんあるのですが、身近な人がきっかけをくれるのが一番だと思うんですね。

もちろん「面白そうだな」と思わせることも大事だし、そして実際の中身も大事なんですが、きっかけはごく身近な「輪」なんだなと、実感しました。この「IGO AMIGO」という集まりは、主に愛好者の少ない20〜30代に囲碁を広めていこうという活動をされているそうです。スタッフもほとんどが若い人ばかりで、若者同士の輪を広げていこうとしている様子がうかがえました。

囲碁は普及の組織化がすごく進んでいると感じ、それは非常に羨ましい点の一つです。正直言ってあれだけの数のボランティアスタッフを動員してイベントをやるなんて反則級です(笑)将棋ではあんなことはなかなか難しいでしょう。
あれだけのイベントで参加費2000円はかなり安いと感じましたが、それはボランティアのスタッフがたくさんいたからこそ実現できたのだろうと思います。

「普及」というのは文字通り広く行き渡らせることで、それには時間も労力もかかります。それには熱意ある若者の力が不可欠なんだな、と改めて思いました。僕も将棋を広めたい気持ちはもちろんありますが、正直なところあそこまでの熱意はありません。ですが自分のできる範囲で、頑張ろうと思います。

当日の話に戻って、会場に着いたのが1時すぎ。あまりの広さにびっくり。なんとなく100人規模かなあと予想してたんですが、数百人はいましたね。これはすごいことです。
最初に渡されたのがクイズの用紙。後で出てくる「囲碁マニア王決定戦」の予選だったようです。これを提出して、さらに指導対局の申し込みをしてから(笑)、開会式。ギャモン界ではおなじみの武宮先生がダンスを踊っていてかなりびっくり。合間に一緒に来た友人と数局。僕には19路盤は大きすぎるので、9路盤や13路盤のほうが好きです。囲碁は大きさやハンデが自由自在なので、初心者に優しいゲームと言えます。その代わり、勝ち負けが分かりにくいという欠点があります。このあたりはお互いに「他人の芝生は青い」って感じなんですかね。

そのあといろんなブースを回って講座を物色。棋力ごとにいくつかのクラスに分かれて、ほぼひっきりなしにやっていたようです。やっぱりというか、僕が見た限りでは万波佳奈さんが一番人気だったかな。彼女は可愛いだけでなくて、話がとてもうまいですね。彼女に限らず、囲碁の棋士はみんな壇上に上がってもすごくハキハキしていて、話し慣れているような気がしました。将棋にも話のうまい人はたくさんいますが、負けている気がします。
ちなみに万波さんの講座は自分の実戦の解説で、僕には難しそうだったのでスルー。タイトルは忘れましたが「石のつながり方」のような講座を見ました。強くなったかは不明です(笑)小さい子どもがテキパキを解答していて感心、とこれはどこの世界でも同じですね。

どの時間でもどの棋力の人でも楽しめるように工夫されているのはすごいなと思ったのですが、一つ残念だったのは声がよく聞こえないこと。仕切りがないのでひょいっと覗けるのはいいんですが、会場のアナウンスで、先生の声が聞こえないんですよね。みんなメガホンでしゃべってたけど、声が嗄れなかったか心配です。たぶんどうするか悩んだんだと思いますが、そのせいで講座来なかった人はけっこういたんじゃないかなーと推測。客はわがままですからね(笑)

ところでこれを将棋に置き換えてみると。
たとえばA級最終日の大盤解説会は毎年大盛況で、二部屋に分かれてやっていることが多いんですが、棋力の高い人向けの解説をする部屋と、そうでないのと、分けてみるのはどうだろう。というようなことを思いました。実際にうまく棋力に合わせてできるかは難しいですが。

そうこうするうちに指導対局の抽選はハズレ。そのあと真ん中の開会式をやったステージで「マニア王決定戦」。レベル高すぎて唖然。ようはクイズなんですが、よくもまあこんなの考えたなあと。そして知ってるなあと。これは将棋でも簡単にマネできそうですけど、どうですか某教授に某マニアさん、某マニハルさん(笑)
こういうのって一歩間違うと寒い企画になりかねない気もするんですが、僕は見ていてかなり楽しめました。実際、帰りがけに囲碁・将棋チャンネルの人に「何が一番面白かったですか?」と聞かれたのでそう答えました。僕のこと知ってたのかどうか(笑)

他にも碁石つかみ取りとか、お約束のルールを全く知らなくても楽しめるコーナーもあったようです。個人的にはそういうコンセプトのものはあまり好きではないのですが、実際のところやっぱりルールを知らない人たちにも楽しさを知ってもらうことは重要でしょうね。

最後のトリが10秒リレー碁。内容はさっぱり分からないので、梅沢さんのトークを楽しむ。10秒将棋というのは悪手は出るにしても、指すだけならそんなに難しいことではありません。だからこそ、「目隠し10秒」なんて企画が出るわけです(これは大変です)。10秒+リレーというのは見たことがないので、どれぐらい大変なものなのかやってみたい気はします。
このコーナーは、いかんせん内容が分からないので、弱いなりになんとなく意味を理解しながら見たい僕には、それほど面白いものではなかったです。でも壇上の棋士の皆さんは大騒ぎしてて楽しそう(苦しそう?)でしたから、きっと企画としては成功だったと思います。

今年はAISEP日本文化祭りなど、新しいイベントに参加する機会がけっこうありました。それらは皆若い人たちが中心となって企画・運営したものばかりです。将棋・囲碁にとどまらずいろいろな分野で、既存の枠にとらわれない新しい試みが求められているということなのだろうと解釈しています。僕はそういったことを自分でやるのは得意なほうではないですが、ときには何か、関わりが持てたらと思っています。新しいことというのは苦労もありますが、ほとんど例外なく面白いものです。改めてそう思えたことは、今回の大きな収穫でした。

あと内容とは直接関係ないんですが、プロがみんなTシャツで講座やったり指導やったりしてるのが、普段そちら側の人間としては非常に新鮮な感じでした。と言うのも、スタッフ・プロみんながその日のために作ったと思われるTシャツでおそろいなんですね。若者向けのイベントなので、カジュアルな感じでとても良いと思いました。将棋祭りなんかでもスーツ姿の棋士しか見たことない人がほとんどだと思うんですが、ときにこういうのも良いのではないでしょうか。こうしたちょっとしたことが、案外新しいことだったりするものです、

もう一つの収穫は、囲碁をやると初級者の気持ちがよく分かる、ということです。僕は石を取られないようにするのは比較的得意なんですが、「取られても良い」ことが分からなかったり、あるいはシボリやウッテガエシのような、取らせて取り返したり追い詰めていったりという手をうっかりすることがよくあるようです。それを友人に言うと「将棋ならできるのに」と笑われますが、そうは言ってもそれができないから初級者なわけです。囲碁をやると弱い人が分からないことが分かるので、なんとなく指導に役立つような気がしています。だから囲碁は、あんまり強くならなくて良かったかもしれません。
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2007年07月30日

社団戦

昨日は昼前に起き、選挙をすませてから社団戦に行ってきました。

正式名称「社会人団体リーグ戦」。同じ職場でチームを組む「職団戦」とは違って、自由にチームを組んで年5回の日程に分けて戦うというユニークな団体戦です。ちなみに「社会人」とありますが学生や子どももいます。参加しやすさが売りで、年々参加チームが増えている、と聞いたことがあります。
以前から一度見に行ってみたいと思っていたのですが、なかなか機会がなく今日に至っていました。昨日初めて行ったのは、ある先輩棋士二人と話したことがきっかけでした。

曰く、「あれだけたくさんの将棋ファン(それもコアな)が集まる場所に、棋士が誰もいないというのはおかしい」と。社団戦に限らず、アマチュアの方がたくさん参加してくれている将棋大会の場に、全く足を運ばないというのは良くない、できる範囲で構わないので、ときには足を運ぶべきであろうと。そりゃそうだなあと思ったので、さっそく実行したのでした。お二人はアマチュアとの交流を大事にされていて、非常に距離が近い棋士という印象があります。

そのとき「ふらっと見に行ってみて、何か見かけない人がいるなあと、そんな目で見られるのも良い経験だよ」と冗談交じりで言われました。僕は右の脳で「たしかに自分のこと知らない人もたくさんいるるだろうなあ」と思いつつ、左の脳で「いやあ、でもいくらなんでも・・」と聞き流していました。
行ってみて、単なる冗談ではないということは理解しました。右の脳の勝利です。将棋を指すのは好きだけど、プロなんてよく知らないという人も、たしかに大勢いるのでしょうね。僕は子どもの頃広島カープの選手はけっこう知ってたので、まずはプロ棋士もそのぐらいは認知されたいものだと思いました。

ちょっと話はそれますが、先日の王座戦の一斉対局、およびLPSAのパーティーで、羽生三冠がはしごされてました。“羽生さん”が来てくれて参加したファンはさぞ喜ばれただろうし、その姿勢はいつも尊敬していますが、ああいうのを見ていると、この世界はあまりにも一部のトップ棋士に負担がかかりすぎているなあと思ってしまいます。仕方ない意味もありますが、トップ以外の棋士の立場としては、すこしでもそれを軽減できるように皆で考えるべきだと思います。そうでなくては、全体の発展は望めないでしょう。

というわけで、自分が一流棋士を目指すのはもちろんのことなのですが、そうでなくても、自分の知名度を上げる努力をしたいなあと、しみじみ思いました。認識されるということが、ファンになってもらうための第一歩であって、それは「将棋」そのものだけに限った話ではありませんので。


会場では大学の先輩・後輩はじめ、久々にお会いする方、地方から来られていて普段はなかなかお会いできない方、元奨励会員、来週初めて稽古に伺う方などなど、たくさんの知り合いにお会いできたので良かったです。大会に参加している人たちに総じて言えるのは、将棋を考えているときの表情がとても良い、ということです。本当にたくさんの真剣な表情に接して、何だか癒されました(笑)妙な話なんですが、本当です。


ただ行くのも何なので、竜王戦の優勝記念に作った夫婦扇子を持っていったのですが、これがほとんど買ってもらえませんでした。ボーっとしてても買ってもらえないよと、嫁に怒られました。たしかに、見たことない怪しげな兄チャンが座ってても、そりゃ誰も近寄らんわな・・・
モノを買ってもらうのって、想像以上に恥ずかしいんですね(^^;初めて知りました。
また脱線しますが、いま将棋連盟の販売で一日館長というのをやっていますが、これが大好評で売り上げがかなり伸びていると聞きました。やっぱり女性はすごい、とそれを聞いてとても感心しました。ちなみにLPSATシャツもけっこう売れてたみたいです。

来月の社団戦の日はちょうど僕の初の著書が出る時期とちょうど重なるので、懲りずに持って行こうと思います。また怒られそうですが(^^;何事も修業です。もし興味がありましたら、どうぞよろしくお願いします。

僕は基本的に初対面の人と話すのがとても苦手で、だいたい話かけられてもしり込みしちゃう場合が多いんですが、別に嫌がってるわけではないので、どうか見かけたら気軽に声かけてください。


会場の話に戻って、僕は3局目・4局目と2局観戦。1部が強豪ばかりなのは当然として、3部・4部もかなりレベルの高い将棋が多いのは驚きました。正直もっとメチャクチャな将棋ばかりかと思っていたのですが(笑)
一番下の4部でチームを率いていたシマケン君と「自分たちが知らないだけで、本当は将棋が強い人というのは世の中に山ほどいるのかもしれない」という話をしました。良い将棋を指す人は本当にたくさんいるんですね。何だか明るい事実に気づいたような気がしました。

戦型は、やはり大半が振飛車系の将棋。相居飛車は3割ぐらいでしょうか。内訳は半分が矢倉、残り半分がそれに類するもの(?)。けっこう多かったのが右玉です。右玉の本ってあまり見覚えがないので、出せばけっこうヒットするのでは?と思いました。ちなみに横歩取りや相掛かりは100局に1局ぐらい、角換わりは僕の見た限りでは会場中で1局だけでした。プロもこの事実は少しは気にしたほうがいいかもしれませんね。


とまあ、とりとめもなく。本当はopinionに書く内容じゃないんですが、長くなったのでこっちでupすることにしました。来月もたぶん行きます。あと、夏は各地で大会や将棋まつりが行われます。僕も仕事以外でもときどきは顔を出そうと思いますので、見かけたらぜひ遠慮なく声かけてください。
posted by daichan at 13:10| Comment(5) | TrackBack(1) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年07月09日

レスに代えて

たくさんのコメントをいただき、ありがとうございました。「論外」という言葉は良くなかったですね。すみません。

いろいろとアイデアもいただいたので、新たなエントリを立ててレスさせてもらうことにしました。


◎対局室の上限人数を上げる
この要望は何人かの方にいただきました。実は、先日の棋士会でも、そういう意見は出たように記憶しています。
僕はシステムのことは分からないので、可能なのか、難しいのか、可能だけどコストが高すぎるのか、そのあたりはよく分かりません。観戦室をたくさん作ると負荷が下がるというのも、分かるような、分からないような・・(^^;

ただ、対局室に入れなかったので見るのをやめた、という人がたくさんいるとすれば残念なことです。僕は対局室でも観戦室でも見たことがありますが、それほど大きな差はなかったように思います。

決勝のとき、ためしに両方開いてみたのですが、数十秒のタイムラグがあるようでした。コメントが少なかったりとか、何分も指し手が更新されなかったりということは、全くなかったように思います。多くの人がなんとなく、観戦室では物足りない、格が下、「のような気がしている」のではないかと思います。なので、もし対局室に入れなくても、そこで観戦をやめないでください、とお願いしておきます。


◎チャットエリアを設ける
これは、僕の書いていることに近いと思いました。ある程度他の棋士にも開放されているほうが、速度が上がってもっとおもしろくなると思うんです。


>いままで初手を見たことがありません。
 これ、実は僕も同感です。まあでも、どうせ序盤は流して見てますから、そんなに気にならないのですが。
 「おねがいします」と声が入るぐらいなら、簡単にできるかもしれませんね?


◎音声、動画
 これはけっこう大変なのではという気がします(コストとか、人手とか、負荷とか)。技術的に可能かどうかと言うより、他の要素との兼ね合いになるのではないでしょうか。
 個人的には、全部無料で流してるんですから、あまり過度な要求はちょっと・・という気もします。案外簡単にできるというのであれば、ぜひやってほしいことではあるのですが。どのぐらい大変なことなのかは、僕にはよく分かりません。


>ネットを通じて対局が行われることの最大の意義は、対局者が別々の場所にいながら将棋を指すことができる、という点にあるはずです。将棋関係者は、その特性を生かすと一体何ができるのかを、徹底的に考えてみてはいかがでしょうか。

指さない将棋ファンさんからのコメントの抜粋です。このご意見は大変参考になりました。ご本人も書かれていますが、発想の転換が素晴らしいですね。ぜひ全文に目を通してほしいコメントでした。
厚木での羽生三冠の記事を「思わぬ反響」と書きましたが、それならば当然の反響を呼んでいくことも、考えてしかるべきですね。


>終盤の一番面白いところで指し手がまとめて更新されてしまうのが残念。1手ずつ確実に更新されるような仕様を要望。

これは、おそらく大和証券杯以外のネット中継を指しているのだと思います。ただ、順位戦とか特にそうですが、深夜の秒読みの中で複数局同時にやっているわけですから、現在の更新速度はとんでもなく速いと言って良いと思います。僕はスタッフの仕事ぶりをよく知っていますが、はっきり言ってあれは神業です。誰にでもできるものではありません。
大和証券杯で突然数手進むのは、たぶん、実際にバタバタと手が進んでいるのだと思われます。僕の観戦中にもそういうことはありました。


>参加意識を持てるような仕掛けが欲しい。
これは同意です。「対抗戦のアイデア公募」というのもそのためのアイデアのひとつです。


>サービスを無料・有料とで分けて提供してはいかがでしょうか
これは、おそらくスタッフも考えているのではないかと思います。専門家を交えて、話し合ってもらいたいと思います。(僕の頭ではとうてい分かりませんからね)



最後に、反応を示してくれたブログのリンクを貼っておきます。他にも我こそはという人がいれば、名乗りをあげてください(笑)

のぺのげPart3
Logical Space
ものぐさ将棋観戦ブログ
独り言雑記ブログ
ゴキゲン日記

あと最後に、別の場所で意見をいただいたのですが、
◎メルマガを活用して宣伝してはどうか
というご意見をある人からいただきました。僕は全く真逆なのですが、その人によればメールからネットに入ってきた人、というのがけっこういるそうなのです。なるほど、と思いました。


それでは、次の企画「熟練居飛車 vs 新鋭振り飛車」は、一週あいて7月22日からです。お見逃しなく!
posted by daichan at 21:49| Comment(4) | TrackBack(0) | 意見・主張 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする